現代社会において、VDT作業(Visual Display Terminal)や車の運転などで目を酷使する機会が増えています。その為、目が疲れる、物がかすんで見える、目が痛むなど目の症状が現れたり、頭痛、肩こりなど全身的な症状が現れます。原因として、近視や乱視などの矯正不良、ドライアイ、照明などの視環境、過労、ストレスなど多岐にわたり、それらの要因が重なり症状が現れます。一定の休息によって症状が減少すれば、生理的な疲労と考えられますが、一定の休息によっても回復しない場合は眼精疲労と考えられます。
眼精疲労の主な症状
スーパーライザー
当院では、眼精疲労の治療のひとつとして、スーパーライザーを導入しております。
星状神経節に赤外線ビームを照射し自律神経を刺激して血のめぐりを良くします。
「スーパーライザー」は、光の中でも最も深達性の高い波長帯の近赤外線(0.6μm~1.6μm)を高出力でスポット状に照射することを可能にした初めての光線治療器です。その効果はペインクリニックをはじめ各科で認められ、いま医療現場で大きな注目を集めています。操作性・治療効果・安全性など医療現場におけるさまざまなニーズに高いレベルで応えます。
眼科領域では星状神経節照射をおこなうことで、眼底血流量の増加、網膜感度の向上などが認められ、様々な難治性眼疾患の治療に用いられています。眼精疲労に伴う、眼痛・頭痛・肩こりなどの諸症状の緩和や改善にも効果があります。
眼底血流量の変化
平均で4.2%増加(p=0.05)
網膜電位図の振幅変化
平均で17.5%増加(p<0.01)
(森 茂:第35回ペインクリニック学会ランチョンセミナー他科における星状神経節照射の応用 2001.7.14 より引用)
緑内障への応用
緑内障とは、眼圧による視神経へ攻撃の結果、視野狭窄が進行する病気です。したがって、手術や点眼内服で眼圧を下げるのが直接の治療ですが、眼圧が正常範囲になっても、視野狭窄が進行することが知られています。この場合は、眼の循環障害が大きく関係していると考えられています。
緑内障に、スーパーライザーを利用して、改善する筈がないと思われていた緑内障の視野狭窄が改善する場合があることを国内で最初に学会発表されたのは当院の提携病院でもある森眼科内科医院の森茂先生です。その後、眼科領域でスーパーライザーは急速に広まり、多くの大学でも導入されるまでになりました。眼科の他の病気では網膜血管循環障害(網膜静脈閉塞症など)の初期にも使用します。
人間の体はストレスを受けると自律神経の交感神経が興奮して血管が収縮します。そうすると、酸素や栄養素を運ぶ血液の流れが悪くなり、様々な痛みや体の変調を訴えるようになります。
星状神経節照射を受けると交感神経の興奮が緩和され、血流量が増加して免疫力や自然治癒力が高まり、痛みやアレルギー症状も改善します。
治療を希望される方は診察時に医師やスタッフにお申し出ください。
スーパーライザーが有効とされる疾患
網膜血管閉塞症、緑内障性視神経症、網膜色素変性症、黄斑変性症、糖尿病性網膜症、眼筋麻痺、中心性漿液性網脈絡膜症、調節緊張症(仮性近視)、眼窩神経痛、眼精疲労