加齢黄斑変性症(かれいおうはんへんせい)とは
老化に伴い、視力に重要な網膜の中心部分の「黄斑」が変性するものです。このため視野の真ん中がゆがんだり、暗く見えたり、進行すると欠けて見えたりします。
加齢黄斑変性症の原因
黄斑変性の中でも、網膜の下から新しい毛細血管(新生血管)が生えてきて網膜に損傷を与える「滲出型」は、より失明に至りやすいタイプです。
萎縮型(非滲出型)
黄斑の組織が加齢とともに萎縮してくるタイプです。詳しい原因はまだよくわかっておらず、今のところあまり治療は行われません、病気の進行は遅く、萎縮部分が拡大して中心窩にかからない限り、高度の視力障害には至りません。
滲出型
脈絡膜(みゃくらくまく)から異常な血管(脈絡膜新生血管(しんせいけっかん))が生えてくることによって起こるタイプです。新生血管は破れやすいため、出血したり、血液中の成分がもれ出して、黄斑が腫れ、ものを見る細胞の機能が障害されます。病状の進行が速く、急激に視力が低下していきます。
加齢黄斑変性症の症状
加齢黄斑変性症の検査
精密眼底検査
眼底を詳しく観察して、出血の状態等を調べます。
蛍光造影眼底検査
網膜の血管の異常を把握するため、血管に造影剤を入れて眼底を検査します。
加齢黄班変性症の治療
滲出型加齢黄斑変性症の治療には下記のような様々な治療法があります。
* 抗血管新生薬療法(こうけっかんしんせいやくりょうほう)
* 光線力学的療法(こうせんりきがくてきりょうほう)(PDT: photodynamic therapy)
* レーザー光凝固術(ひかりぎょうこじゅつ)
* 新生血管抜去術(しんせいけっかんばっきょじゅつ) など
☆ここでは「抗血管新生薬療法」について詳しくご紹介します。
治療法
月1回薬剤を白眼の部分から眼の中心の硝子体という場所に向けて注射します(点眼麻酔をしますので痛みはほとんどありません)。これを3ヵ月間繰り返します。その後、検査は月1回、視力検査、眼底検査、光干渉断層撮影等を行い、新生血管が残っている場合は再治療が必要になります
眼内注射日前後に行うこと
ルセンティスの治療を受ける前3日間と受けた後3日間は、注射部位への感染を予防するため、抗菌点眼剤(抗生物質の目薬)を点眼していただきます。
治療内容
眼や眼の周りを十分消毒し、麻酔薬を点眼した後で、白眼の部分から眼の中心の硝子体という場所に向けて注射します。
治療のスケジュール
1年間の治療スケジュール例